【米国株関連ニュース】米株式市場の主役交代、長続きするか

米株式市場が突然、地殻変動に見舞われた。
市場の出遅れ銘柄が最近は活気づく一方、盤石に見えた巨大テクノロジー企業7社の「マグニフィセント・セブン」は足元が揺らいでいる。
投資家は相場の方向性を予想する手掛かりを得ようと、企業業績にこれまでよりも強い関心を向けている。
中小型株で構成するラッセル2000指数のパフォーマンスは先週17日までの7日間でS&P500種指数を大幅に上回り、ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、7日間ベースのリターンの差は1986年までさかのぼるデータで最大を記録した。また、ラッセル1000バリュー株指数のパフォーマンスは同グロース株指数を上回り、リターンの差はドットコムバブル崩壊後の2001年4月以来の大きさとなった。
こうした転換を予想していた投資家は極めて少なかった。多くは何が背景にあるのか頭をひねり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを巡る見通しの変化や、ドナルド・トランプ氏が米大統領に返り咲くとの思惑、テック銘柄に投資資金が集中した反動、などが可能性として挙げられた。
ジョー・バイデン大統領が大統領選から撤退することを21日に表明したことで不透明感はさらに強まり、大統領選に対する市場の関心が改めて高まっている。
投資家は現在、市場の「勝ち組」と「負け組」の入れ替わりはテクノロジー全盛時代における単なる一時的な現象か、あるいは持続的な変化が実際に進行しているのかどうかを見極めようとしている。
資産運用会社ニューバーガー・バーマンのシニア投資ストラテジスト、ラヒール・シディキ氏は「誰もが答えを見いだそうとしている」と語る。
19日の取引終了時点で、ラッセル2000は週間で1.7%上昇し、年初来では7.8%高となった。S&P500種は週間で2%下落したものの、年初来では15%上昇している。
FRBはインフレ抑制のために2023年も利上げを続け、今年に入っても金利を高水準で維持してきた。投資家の資金は、経済を巡る不透明感にさほど影響されず安全性が高いとみられる巨大企業に集まった。こうした企業の一部に対しては、人工知能(AI)分野の革新的な進化の恩恵を受けるとの期待も膨らんだ。
トレーダーは、中小型株や景気循環株には懐疑的だった。こうした企業は資金調達コストの上昇が足かせになりやすく、FRBの利上げが景気後退を招くリスクに対して脆弱(ぜいじゃく)な側面が強いためだ。
こうした見方に基づく取引は当面続いていくように思われた。ところが今月11日、予想よりも大幅なインフレ鈍化を示す指標が発表され、一変したようだ。以前から投資家はFRBの利下げ開始を予想していたが、今回のデータによって9月の利下げ開始はほぼ確実になったとの見方が広がった。利下げへの転換が間近に迫っていることを確信した投資家の間では、これまで成功してきたテック銘柄への投資を見直し、利下げに伴う借り入れコスト低下と景気拡大が追い風になりそうな銘柄を物色する動きが活発化した。
ニューバーガー・バーマンのシディキ氏は「金利が下がると誰が得をするのか。その答えは、金利上昇時に最も苦しんでいた一群であり、基本的にこれまでの弱者ということになる」と述べた。
FRBが2022年3月に利上げを開始した時点では、米国債の10年物利回りは2.2%程度だった。FRBの利上げ継続に伴い10年物利回りは上昇し、23年10月には16年ぶりに5%を突破した。その後、投資家が利下げを予想し始めたため利回りは低下したものの、インフレの高止まりを背景に今年に入って上昇している。19日の米国債市場では、10年物利回りは4.238%で取引を終えた。
市場では、もう一つ大きな力が働いている。11月の選挙でトランプ氏が勝利し大統領に返り咲くとの見方が広がっており、減税や規制緩和の実施が意識されている。
相場をけん引する銘柄が入れ替わる「ローテーション」が持続する条件として、多くの市場参加者は中小株や景気循環株の業績が向上するとの見方が個別企業の決算発表で裏付けられることを挙げる。
こうした手掛かりを得る上で投資家が今週注目しているのが、ラッセル2000の構成企業約300社や、グーグル親会社のアルファベットと電気自動車(EV)大手テスラの四半期決算だ。来週も巨大テック企業の決算発表は続き、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン・ドット・コムが発表を予定している。
テック銘柄を押し上げてきたのは熱狂だけではない。こうした企業は巨大市場で圧倒的な地位を占め、事業規模が大きいため景気変動の影響を受けにくいことも要因になっている。
調査会社ストラテガスのライアン・グラビンスキー氏によると、マグニフィセント・セブン(アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)は1-3月期に利益が52%増加した半面、S&P500種指数の残りの構成企業493社は利益が8.7%減少した。4-6月期については、テック7社は28%の増益、その他のS&P500種企業は1%の減益になるとアナリストは予想している。
ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、ラッセル2000の構成企業は4-6月期に18%近くの増益となり、5四半期続いてきた前年同期比での減益に歯止めがかかると予想されている。今週に決算発表を予定する小型株には、鶏卵生産のカルメイン・フーズや複合機メーカーのゼロックスなどが含まれる。
中小型株は大型株と比べ、金利上昇による打撃を受けやすい。ゴールドマン・サックスが今年実施した調査によると、ラッセル2000構成企業の借り入れの30%は変動金利で、この割合はS&P500種構成企業では6%に過ぎない。ラッセル2000の構成銘柄は昔から赤字企業が大きな割合を占める。
こうしたことを背景に、FRBが金利を高水準に維持する中で、投資家はラッセル2000企業には積極的に投資しようとはしてこなかった。ラッセル2000は今年上半期は上昇率が1%にとどまった。
S&P500種指数の上昇をけん引してきたのは大型株だ。指数算出会社S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると、今年上半期は同指数の配当込みのトータルリターンは15%で、そのうちの30%はAIを巡る期待で投資家の人気を集める半導体大手エヌビディアが占めた。この割合は、マイクロソフト、アマゾン、メタ、アルファベット、アップルも加えると半分を優に超える。
一握りの銘柄がS&P500種を押し上げてきたことに対して投資家の間で不安が広がり、上昇トレンドの持続性に懐疑的な見方も強まっていた。
資産運用会社アルティ・ティーデマン・グローバルのナンシー・カーティン最高投資責任者(CIO)は、特定銘柄に対する投資資金の集中は非常にリスクが高いと指摘。投資対象の裾野が広がることは好ましく、それは「より健全な市場、より安定した市場を生み出し、強気相場を支える」と述べた。
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いちのりのつぶやき
直近でGAFAMやらマグニフィセント7やらと言われている銘柄の下落が続いている。昨日の市場では戻しましたが元気がない、夏バテ??その代わりにラッセル2000など小型株が上昇しているようであるが、この光景って少し前にあったよね?2023年か2022年にあった割安株などが上昇していた時期。それと似たような感じ?でもそれらの銘柄は一時的な上昇に終わり結局ハイテクグロースに戻ってくるような未来が見えない事もない。ハイテクも以前であればセクターローテーション的な一角の為、好不調の波みたいなものがあったかもしれない、特に半導体業界はそれが激しい。でも今や半導体は年がら年中需要がありしかも常に新しいものを開発していかなければならない状況の為、半導体不況なるものが来るのか疑問である。ただ、全体の景気後退がやってくるとやはりそこは影響を受けてしまうので多少の波は残るかもしれないが、かつてほどのボラティリティはなくなる?かもしれない。
かといって、私もGAFAMやマグニフィセント7の時代が永遠に続かないかもしれないってことを考慮し、広範囲?にナスダック100にも投資をしております。利下げすると確かに小型株にはよい風にはなると思うけど、結局は大きなところに資金がいって上昇している株が更に上昇するってことになりそう、ただし行き過ぎるとどこかで急ブレーキがかかるのは想定内。
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