夏の株高に懐疑的な見方が広がった後、投資家は不満を抱きながら秋に向かおうとしている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は過去数十年で最も高い水準にあるインフレと戦うために積極的に金利を引き上げると約束している。一方で、欧州での戦争や中国での新型コロナウイルス対策のロックダウンは、経済が痛みにどう持ちこたえられるかを予測するのを難しくしている。
一見良いニュースであっても、株価上昇を維持するには十分ではない。雇用統計は、経済が依然好調なことを示す一方で賃金圧力が和らいでいる可能性も示すという微妙なバランスを保った内容となり、2日序盤の取引で主要株価指数は上昇した。
だがその後、株価は荒い値動きとなる中で下落した。レーバーデーの連休を前にした薄商いが追い打ちをかけた可能性がある。ロシアが欧州への天然ガス供給を無期限停止したことを受け、欧州各国政府がエネルギー不足を回避しようとする中でセンチメントは一変した。
2日のS&P500種指数は1.1%安で引けた。週ベースでは3週連続の下落となり、この3週間で8.3%下落した。年初来では18%安だ。FRBが進めるインフレとの戦いと国外の経済的圧力の間で、多くの投資家は弱気になる理由を見つけるのは難しいことではないと言う。
コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、ティファニー・ウェイド氏は「明らかに、われわれはまだ非常に速いペースで(金利を)引き上げている」と指摘。「今後数四半期にわたって市場に影響を与える可能性のあるマイナス要因が世界中にたくさんある」と述べた。
最近の市場は綱渡りのような状態で苦慮している。投資家はFRBのインフレ抑制策に注目しているが、FRBが景気を冷やすためにさらに積極的に金利を引き上げる必要があるかもしれないことが強い経済データによって示唆されると、株価は急落した。
だが金融引き締めが浸透するには時間がかかるため、アナリストは、ある時点で経済データが景気後退に伴うような弱さを示す可能性にも備えている。投資家や政策担当者がインフレ率の低下を待つ中で8月の賃金上昇ペースが緩やになったことはポジティブな兆候だ。雇用者数は31万5000人増となり、景気が依然好調であることを示唆し、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想にほぼ一致した。
